2013年12月29日日曜日

2003年7月11日

ハ〜イ、 皆さ〜ん、初めまして!

やっと待ちに待った僕の、いえ、あの、え〜っと、藤原由紀乃のホームページが開設しました。勿論、主人公は僕だよね。

僕? 良くぞ聞いてくれた!
 
僕は、イギリス人なんだけどドイツ南部・バイエルン州生まれ。

ブチで雑種みたいでしょ、

でも人間世界では「ジャック=ラッセル・テリア」という犬種名を持っているんだよ。

祖父母はイギリス生まれのイギリス育ちで

人間が勝手に評価しているドッグショーで優勝しているけど、

本人達は別に何とも思っていないんだよね。

僕の父親は、この犬種で唯一、警察に就職できるような資格を持っていて、自慢のパパだ。
でも、僕らのサイズじゃ、いくら警察犬になっても

泥棒さん達は笑っちゃうだろうから、パパの資格も唯の紙切れさ。

トイレにでも飾って置こうか、なんて言ってたなぁ。

血統書に載ってる僕の名前は”Akim vom Vilstal”なんだけど、

「日常生活の中で呼びにくいし、お前は英国の犬種だからトルコ系のAkimは似合うかどうか?」と言って

ご主人さまが英語圏の名前を付けてくれたんだ。

もう少しでチャーチル元イギリス首相と同じ

”Winston”になるところだったけど(悪かぁないけど、葉巻は嫌いだし)、

偶然が重なって ”Willis”になったんだ。

映画界のブルースと同じにしないでね、僕は違うんだから。

まぁ、ご主人さまの理想とは離れたハミ出しの所は、

例の「ダイ・ハー○・1〜3」に似てるかも知れないけどさ。

まわりの人が吹き飛ばされる程のエネルギーと元気が僕の取り柄だしね。

友達は、僕の事を愛称の「ウイちゃん」で呼んでるから、

君達にもそう呼ぶ許可をあげるからいいよ、ね。

そんなこんなで面白い家族を持つ僕は、

ある日、ご主人さまの藤原由紀乃に巡り会ったんだ。

本当は僕がご主人さまを飼っているんだけど、

彼女はプライドが高いから内緒にしててね。

僕はミュンヘンのご主人さまの所へ引っ越して、厳しく育てられてきて、

そうそう、ご主人さまのピアノの恩師で

優しいアンナ・シュタードゥラー先生にも撫でてもらったりしたんだよ。

グフフっ。

ミュンヘンって結構いい所なんだ。

のんびりしていて、田舎っぽくて。

シュタードゥラー先生のおうちはミュンヘン市内でも東端なので、

車で10分もあれば、すぐ緑いっぱいの郊外の景色が広がるんだよ。

牧畜農家も多いので、牛達が首輪から大きな鈴をぶら下げて、

草ばっかり食べているんだ。

僕はヤダね、兎じゃないから。

森や草原や畑の間に可愛い村が点在していて、

赤い屋根の農家が村の中心に建つ

教会のまわりを囲んでいるのは、まるで羊の群だね。

僕も良く本物の羊や牛を追っかけて、

後でご主人さまに叱られたもんだ。

南にはアルプス山脈が見渡す限りに連なっていて、

天気の良い時にお目見えする景色は最高!

僕も気分は最高!

だって、日本と違って、自然がドッグランなんだから、ね。

僕はね、他の犬と違って人が好きなんだ。特に人ごみがね。

普通じゃまったく考えられない事なんだけど、

ご主人さまと一緒に9月開催のミュンヘン一のお祭、

「オクトーバーフェスト」へも出掛けたんだ。

普通の犬なら人の波に怯えるし、

足を踏まれたりして最悪だけど、僕は楽しんじゃった。

身軽で俊敏だから、忍者のように、パッ、ササッ、ヒラリッ、とね。

他の犬ならご主人さまは絶対にああいう場所へは連れていかないだろうさ。

実際、人ごみの中から「動物虐待だ!」と

ご主人さまを威嚇する人間もいたからね。

お祭でビールばっかり飲んでいて、つまんなくないのかねぇ、人間って。

ご主人さまは、お酒が飲めないから、お祭恒例のお菓子

(焼きアーモンドが好みなんだって!

砂糖でアーモンドを焼いてあるから、香ばしいんだ、これが。

外側はキャラメル化してアーモンドの香が染み込んだ層がクリスピーで、

中のアーモンドはジューシーで、日本でもやって見れば

絶対に大反響間違い無しなんだけどなぁ)を頬張ったり、

アトラクションの間を散策したり、と割と地味な参加の仕方なんだ。

僕は超絶好調だったね。変わってるでしょ?

日本人観光客もいっぱい見たよ。

みんな仲がいいんだね、いつも一緒に行動してるから。

えっ、そういう事じゃないって?

ま、いいや。でもアメリカ人観光客と一緒で、カメラを使うのが好きらしい。

陽が沈むと、親子連れや観光客で賑わっていた昼間とは

全く違う顔ぶれの祭客が現れるので、

僕はご主人さまと一緒にその前に帰っちゃった。

だって、ビールを飲み過ぎる人に救急車

(あれって、犬の繊細な耳には迷惑なんだよね、うるさいサイレンだから)

は来るわ、人間の雄同士で威嚇し合って喧嘩はするし、

折角のお祭を乱暴者が台無しにしてしまうんだな。

居合わせたら危ないよね。

人間って、何故最後まで喧嘩をし続けるのだろう?

僕らは喧嘩する前に相手がもっと強いと感じればやらないし、

喧嘩をしても相手が降参すればすぐに止めるもんね。

文化がないよね、人間の多くは。

仕方ないね、ホント。

ミュンヘンっ子(日本で言う江戸っ子みたいなもの)にすっかりなった僕が、

大陸を越えた遥か向こうの国(日本って呼ばれてる)へ

国際引っ越しをする事になったのは、1999年5月のことだった。

えっ、なんで?と思ったけど、ご主人さまが行く所は

僕の行く道でもあるからね、潔く付いて行ったのさ。

でなきゃあ男がすたる、ペケペンペンペン、っと?。

飛行機に乗って日本の成田に着いたのは5月22日で、

それから検疫期間があった。こういうの、猫はないのにね。

ぐっと堪えて(僕は明るい性格だから乗り越えたけど)、

日本の法律が決めた検疫で「日本人」にしてもらった。のかな?

ご主人さまは気が気じゃなかったようだよ。

「笑う門には福来たり」だから、僕にぴったりさ。

大丈夫だったよ。

でも前よりは甘えん坊になっちゃって、少し恥ずかしいな。

日本ではご主人さまのおばあちゃんに惚れ込んじゃってね。

もう、それはそれは可愛がってくれるんだから。

一度も怒られた事がないから、

おばあちゃんは、ご主人さまと違ってきっといい人なんだよな。

あー、いい人と巡り会わなきゃーねぇ。

だから日本は日本で楽しい。

東京はもの凄く空気が悪いから散歩もなんだか不健康になりそうだけどね。

でも、もうすぐ人間の乗り物の排気物の事が厳しくなるらしいし、

ま、人間達を許しとこっと。

ドイツと比べると、勿論感心する事以外に

いろいろと違う事、変わっている事、珍しい事、

不思議な事、理解しづらい事等もあるけど、

僕の考えや、文化の違いの面白さ等について

少しづつ伝えていくから楽しみにしていてね。

今回は、自己紹介も兼ねてたから長くなったけど、これからも宜敷く。

じゃあね、まったね〜!

陽気なウイちゃんより